「全く知らない職場に異動したけど、人事異動ってどうやって決めているの?」
「公務員の人事異動の仕組みを知りたい!」
公務員を目指す人はもちろん、現役公務員の方でも人事異動の決め方や仕組みを知らない人が多いですよね。
そこで今回は公務員にとって年度末の一大イベントである、人事異動について解説します。
人事異動の決め方を某政令市の人事担当から聞いた話をもとに解説していきます。
知っておいて損はない話なので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
公務員の人事異動はだれが決める?
早速本題ですが、公務員の人事異動はだれがどのように決めているのでしょうか?
人事異動の決め方を3ステップで見ていきましょう。
1:首長などの特別職が部長職・局長職を決める
2:人事部長、人事課長が課長職を決める
3:人事課長、人事係長が係長職、ヒラ職員を決める
ステップ1:首長などの特別職が部長職・局長職を決める
一般職のトップにあたる部長職や局長職は、特別職(=市長・知事といった首長と呼ばれる人、首長に任命される副市長、副知事といった人)が決めています。
基本的に公務員は年功序列のため、トップが定年退職等により退くことによって、下の役職の人が昇格してそのポストに就きます。
そのため公務員として出世するには、ポストの関係もあるので運の要素が大きいのです。
トップを決めなければ、その部下を決めることもできないので、人事異動において最初にここを決めるのは当然といえば当然ですね。
ステップ2:人事部長、人事課長が課長職を決める
一般職のトップが決まったら、その部下に当たる課長級の職員を人事担当の部長や課長が決めます。
ここも同様に、部長級への昇格や退職等で空いたポストに部下が昇格することが多いです。
特別職や部長のチェックがあるものの、特別な事情がない限りは人事課長の案をもとに対応していきます。
ステップ3:人事課長、人事係長が係長職、ヒラ職員を決める
そして最後に、係長級の人やヒラ職員の人事異動を決めます。
係長以下の人事担当者は、それぞれ担当があり、ヒラ職員がヒラ職員の人事を決めているといっても過言ではありません。
ちなみに財政部署の予算編成の担当者も似たような体制をとっているところが多いです。
これらの3ステップで人事異動は決まります。
次は、人事異動する人をどのように決めているのかを解説していきます。
どんな人が異動する?ケース別の異動のパターン
次はどのような人が異動の対象になるのか、どうやって異動する人を選んでいるのかについて解説していきます。
と気になっている人も多いと思います。
そこで異動のパターンをケース別で見ていきましょう!
1年で異動する公務員の特徴をこちらで解説していますので、知識を深めるために合わせてチェックです!
公務員の異動のパターンは5種類!
異動のパターンとしては、大きく5つあります。
具体例と一緒に、それぞれのパターンを詳しく見ていきましょう。
1:トレード(=等価交換)
2:引き抜き
3:指名希望
4:家庭・個人的事情等
5:暗黙の了解
1:トレード(=等価交換)
これが人事異動の大原則になります。
できる職員ばかりを一つの部署に集めてしまうと、組織としてバランスが偏ってしまいます。
これを防ぐために、できる職員はできる職員と交換する形で異動させるといった具合で決めていきます。
などといった具合で所属長同士、交渉をしていきます。
2:引き抜き
公務員は私企業と比べ、閉鎖的な環境のため、人の出入りが少なく、仕事ができるできないといった噂もあっという間に広まります。
そんな噂などで仕事のできる職員が異動の候補であれば、所属長が指名して自分の部署に異動させます。
やはり仕事ができる部下を近くに置いておきたいものです。
3:指名希望
引き抜きとは逆に、自分の部下を、特定の部署に異動させるように圧をかけることがあります。
自分の部下が、指名によって出世部署になれば、評価されるうえ、部下が希望通りの部署に配属される可能性もかなり高くなります。
出世部署はかなりの激務である傾向にあります。
より具体的に知りたい方はこちらの記事で解説していますのでこちらもチェック!
4:家庭・個人的事情等
これは、親の介護が必要になり、職場が制限されるなどやるせない理由で異動する場合です。
公務員はこういった理由の場合考慮してもらえることがほとんどです。
社内結婚で、同じ職場内で結婚した場合も、同じような部局に配属しないよう調整したり、被ったらどちらかを異動させる人事もありえます。
5:暗黙の了解
最後に解説するのが、暗黙の了解です。
これは、管理職級でいえば、○○課長をした人は○○部長になるといった具合に、決まったルートがあり、それに沿った異動をしているパターンです。
もちろんヒラ職員でも、○○課を経験したら次は○○課へ異動するという、お決まりのパターンが存在することがあります。
そのため同じルートにいる職員とは異動しても次の異動先などで同じ職場になることも多いです。
異動のパターンについて分かったところで、次は異動希望について解説します。
異動希望は無意味?実際通るのか?
ここまで読んで、
と思う方も多いかもしれません。
確かにここまで解説したように、人事異動の決め方の都合もあり、異動希望は通らないというのがほとんどです。
しかし、異動希望が全くの無意味というわけではなく、強い希望やアピールがあれば通る可能性があります。
例を挙げると
・うつ病等で今の仕事を続けるのが難しく、異動を望んでいる人
・自分の特技・スキルを活かせる部署に異動したいと強くアピールする人
うつ病等に関しては、特に社会問題でもあるので、人事としてもより深刻な問題として異動に最大限の考慮をします。
つまり今の職場が嫌だという人や、違う部署のほうが活躍できるという人は、異動希望を強くするべきです。
異動や転職をしたいという人はこちらも見るとより知識が深まり、成功のヒントになります。
まとめ:公務員の人事異動はどうやって決めている?
今回は、公務員の人事異動の仕組みと決め方について知ることができました。
・人事異動は上の階級から順番に決まる
・異動にはパターンがあり、前例を踏襲した配属になりやすい
・異動希望は全くの無意味ではない(事情や理由があれば可能性あり)
公務員は、前例を踏襲することがほとんどで、様々なルールのもと決まっているので、一職員の要望が通ることはほぼ無いです。
人事異動は運の要素も大きいので、確実ではありませんが、自分のしたい仕事をアピールすることは、モチベーションにもなりますし、組織としても適材適所に人材を配置できるきっかけになります。
以上ザワングでした。