「京都市が財政破綻するの?!理由は?」
今回は、政令指定都市の中でも古都として長い歴史を持つ京都市の財政危機について解説いたします。
公務員の目線から原因を探っていきますので、これから公務員を目指す人や京都市の財政について気になる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
京都市の経済状況は危ない?
政令指定都市で、観光でも知名度のある京都市が財政破綻の危機と言われております。
京都市の借金の状況を示す、市債残高は2019年度で1兆3424億円も残っており、将来の財政への負担比率を示す将来負担比率は191.1%と、ともに政令指定都市の中ではワーストクラスの数字となっています。
このような状況を背景に、2028年には財政再生団体に転落する恐れがあり、京都市では様々な行財政の改革を行っていくと公表しています。
・職員の給料カット
・職員数の削減
・補助金や制度の見直し
・固定資産(土地)の売却
京都市が財政破綻の危機に瀕している理由とは?
京都市の財政破綻の危機に瀕している理由を詳しく見ていきましょう。
主な理由としては2つあります。
・京都ならではの都市の特性
・市民サービスの支出増
京都ならではの都市の特性
市区町村のメインの収入となるのが、住民税と固定資産税なのですが、京都市はそのどちらともが少なくならざるを得ない都市の特性があるのです。
住民税が少ない理由
京都市の住民税が少ない理由は京都市が学生の街であるということです。
住民税はその自治体に住む住民の所得によって税額が決まるため、学生の多い京都市では非課税世帯の割合が多く、住民税を納めている課税世帯は4割弱にとどまっており、政令指定都市で最も低い数字です。
固定資産税が少ない理由
京都市は観光都市として有名であり、市内には様々な寺社仏閣がありますが、寺社仏閣の敷地や建物は固定資産税が課税されないので、固定資産税を取ることができません。
また景観保護の条例があるため京都市では高い建物が建てられず、高い固定資産税を取ることのできる高層マンションや高層ビルの建築がしにくいということもあり、京都市では他の政令指定都市と比べて、固定資産税がかなり少ないです。
住民税と固定資産税の2つの税金の収入が他の自治体よりも少なくなりやすい街の性質があるので、これが財政破綻の原因の一つとなっています。
市民サービスの支出増
京都市は収入の面だけでなく支出の面でも課題があり、それが市民サービスの支出です。
70歳以上の高齢者に無料か低額で市バスや市営地下鉄を使うことができる敬老パスの出費が大きく、1973年度には3億円程度だった費用が、2019年度は少子高齢化による高齢者の増加により費用は50億円まで増えています。
そのほかにも子供の医療や子育て助成の制度が大きな負担となっております。
これからの京都市はどうなる?
京都市の財政破綻の危機に瀕している理由が分かりましたので、次はこれからの京都市がどうなるのかを解説いたします。
京都市では2000年に市の貯金が無くなり、2005年には減債基金と呼ばれる借金返済のために貯金しているお金を切り崩しており、このペースだと2026年度に減債基金も底をつく見込みです。
そのため今すぐ行財政の改革を行わなければいけないという段階にまで京都市は来てしまっているのです。
「聖域なき見直し」を京都市の門川市長が話しているので、今の市民サービスが大幅に削減されることは避けられないうえに、京都市の職員として働く職員の給料カットや職員数の削減も行われます。
まとめ:京都市の財政破綻の危機を解説!
今回は財政破綻の危機に瀕している京都市について公務員の目線から解説いたしました。
・京都市は住民税と固定資産税が少ない都市の特性
・収入に対しての支出がかなり多い収支バランス
・行財政の改革を行わなければ2028年には財政再建団体に
京都市はこれから行財政の改革に取り組み、聖域なき見直しを徹底することができれば、財政の再建も可能です。
以上ザワングでした。